エングレイブボタン
一発で決める、小さな緊張感。
FAGASSENTのデニムパンツのフロントには、厚みのある真鍮製オリジナルボタンを使っています。表には筆記体の「f」。
そして側面には「FAGASSENT」。
僕はこういう、服全体から見ればほんの小さなパーツが好きなんです。
このボタンの原型となった規格に出会ったのは、僕がロンドンにいた頃のこと。現地で見つけて、純粋に「格好いいな」と思いました。
それを日本へ持ち帰って、FAGASSENTのディテールとして使うようになりました。
ただ、このボタンは取り付けるのが少し厄介です。
表面の「f」には向きがあります。
そして、一度打ち込んでしまうと、あとからクルッと回して向きを直すことができません。
つまり、取り付ける前に向きを決めて、そのまま一度で打たなければならない。
僕はそこに、ちょっとした「一発勝負」の緊張感を感じています。
しかも、日本国内にはこの規格のボタンを自動で取り付けてくれる機械がありません。
井原にある青木被服の工場で、職人が専用の打ち込み機を使って、一つずつ取り付けています。
手だけではなく、両手と両足を使って操作するような機械です。
パンツ全体から見れば、ボタンなんて本当に小さな部分です。
おそらく、そこまでじっくり見る人は多くないかもしれません。
でも僕は、そういうところにこそブランドの姿勢が出ると思っています。
ロンドンで出会った一つの金属パーツが岡山へ渡り、井原の職人の手によって、一着一着のデニムに打ち込まれていく。
FAGASSENTが掲げている「London × Okayama」という言葉は、こういう小さなところにも存在しているんです。

